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phase2 Vol.03 巨大天然ガス受入基地 × ティーマイク

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国際石油開発帝石株式会社 直江津LNG基地 設備グループ 電気主任技術者 寺尾 智志 氏 × 産業第一システム事業部 受変電技術部 受変電技術第三課 技術主任 三木 克修

<MISSION>

2013年12月に操業開始した国際石油開発帝石株式会社(INPEX)の直江津LNG基地(新潟県上越市)。ここでは、主に海外から受け入れた液化天然ガス(LNG)を気化および熱量調整し、製品ガスとして約1,500㎞のパイプライン網を使用して一都八県に供給。まさにエネルギーインフラを支える基地である。万が一、落雷などで電気供給が途絶えると、ガスの供給が停止し大きな影響が出てしまうため、24時間365日基地の稼働を停止させることのない受配電システム設計がTMEICに対して求められた。

世界的なプロジェクトとその受入基地

LNGを基地に送り込む

INPEX直江津LNG基地は、海外LNGプロジェクトと国内天然ガスパイプラインネットワークをつなぐ「グローバルガスバリューチェーン」の中核的施設。建設計画の背景には、1998年から始動した「イクシスLNGプロジェクト」があった。これは、オーストラリア北西沖で産出された生産物を、沖合の処理施設で石油の一種であるコンデンセートとガスに分離。分離された天然ガスは陸上液化プラントまで約890㎞の海底パイプラインで運ばれ、LPG・LNG※へと分離・液化。それぞれのエネルギー資源は、順次、日本をはじめ各国へ船で出荷される。「イクシスLNGプロジェクトは、生産量を含めて世界的に見ても大型のLNGプロジェクトです。そして、INPEXは日本企業で初めて、操業主体として手掛けており、中でも直江津LNG基地は受け入れ基地としての重要な役割を担うため、万全の電気供給体制が必要でした。そこで、送電線のトラブルや自然災害等でも、電力供給会社(以下、電力会社)から受電を維持できるシステム、そして、電気設備の定期点検の時でも基地を全停止することなく電力供給を続けられるシステムをつくることが必要でした」と電気主任技術者の寺尾氏は言う。さらに万が一電力会社からの送電が停止した際に、最も重要なパイプラインへの「送ガス」維持のための電力供給を最優先にしながら、停電状態から正確かつ早期復旧を可能にするための『自動復電装置』を採用した仕組みも求めた。「電力システムの設計をどこに依頼するか、複数社検討しました。ただ、当社はTMEICの製品を長岡鉱場や国内パイプラインの維持・管理を行うグループ会社、帝石パイプライン株式会社でも採用するなど、長年TMEICと一緒にやってきましたので、製品の性能や耐久性はもちろん、提案力も含めて信頼してお願いをしました」と寺尾氏。
※LPG…液化石油ガス LNG…液化天然ガス

DATA
国際石油開発帝石株式会社(INPEX)〜直江津LNG基地〜
新潟県上越市の海沿いに位置する直江津LNG基地は、2013年12月より操業を開始。主に海外から受け入れた液化天然ガス(LNG)は、高さ約54m、直径約83mのLNGタンク2基に貯蔵され、その最大容量は合計36万kl。蓄えられたLNGは気化した後、関東甲信越一都八県へ、総延長約1,500kmにも及ぶパイプラインを通じて供給されている。

2018年10月31日、INPEXが操業主体となる「イクシスLNGプロジェクト」 初のLNG荷揚げが行われた

“トラブルの熟練者”はいない

堅牢な建屋に収められた受変電設備

基地にとって血液と言えるほど大事な電気を停止させないために、電力会社からの受電については2系統で設計。万が一、片方への電力供給が停止した場合、もう一方の健全性を瞬時に確認し切り替えるという一連の制御を自動化する仕組みづくりを行った。また、基地内の電力供給については3系統とした。通常は3系統すべてを利用して基地を稼働しているが、1系統を定期点検のため停止させる際、手動で切り替え、残り2系統でまかなえるようにした。「直江津LNG基地は、基本となる電力会社からの受電に加え、非常時用として設けられたガスタービンとディーゼルという2種の電力供給源があり、とても複雑です。かつ、ご要望の『自動復電装置』を組み込んで非常時に対応したシステム設計を行いましたので、実運用を想定したサポートが必要でした。システム自体が完璧でも、実際に操作するのはオペレータになります。海外に比べて日本の電力系統は安定して優れているため、熟練のオペレータであっても『非常時』の経験がほとんどありません。どんなに日頃から訓練やシミュレーションを積んでいても、オペレータの経験や知識に頼って対応するのは事故の元になります。そこで、経験の多少に関わらず同じように正しくトラブルに対応できるよう、電力監視装置に自動復電機能とトラブル対応機能が表示されるINPEXオリジナルのソフトウェアを搭載しました」と技術主任の三木は言う。こういったソフトウェアをつくるのは稀少なことだったが、お客様が安心して運用に取り組める仕組みづくりのために試行錯誤を繰り返し完成させた。

電力会社から供給される2系統に、基地内の電気設備による1系統を加えた万全の電源バックアップ体制を整える

<TMEIC 無限の技・術・力>
電源品質向上サポート

わずかコンマ数秒の間に、電力供給量がガクンと落ちる「瞬時電圧低下」。
家庭で使用される電気としてはほとんど影響がなくても、
一部の工場やプラントでは大きな損害の原因となり得ます。
これら不測のトラブル発生時でも、いつも通り安定した電気供給を保つためには
「瞬低補償装置(MPC)」などのバックアップ装置が必須です。
わずかな変動も見逃さず、実に1/1000秒クラスのスピードで対応するTMEICのMPCは
鉄鋼業界や半導体工場など数多の分野に納入されています。

わずかコンマ数秒の間に、電力供給量がガクンと落ちる
「瞬時電圧低下」。
家庭で使用される電気としてはほとんど影響がなくても、
一部の工場やプラントでは大きな損害の原因となり得ます。
これら不測のトラブル発生時でも、
いつも通り安定した電気供給を保つためには
「瞬低補償装置(MPC)」などのバックアップ装置が必須です。
わずかな変動も見逃さず、
実に1/1000秒クラスのスピードで対応するTMEICのMPCは
鉄鋼業界や半導体工場など数多の分野に納入されています。

プラントに魂を入れる

「電気を止めない」システムづくりが求められるのは、今回の直江津LNG基地のようなインフラを支える公共設備だけでない。例えば液晶フィルムや半導体などの製造工場は、「瞬停」と呼ばれる、ほんの一瞬電気が停まったり電圧が下がってしまう事象により、生産ラインの制御機器が影響を受けてラインが停止し、生産ライン上の製品がすべて不良品となり莫大な損害が出る。そこで、「瞬低補償装置」を使用してラインの安定駆動を実現する必要がある。また、最近では、工場の電力として電力供給会社からだけでなく、自社の発電機や燃料電池・蓄電池、太陽光発電といった再生可能エネルギーなど、様々な電力を融合させた電力システムが求められるようになってきた。しかし、太陽光発電は昼間しか発電できない、蓄電池は放電するために充電が必要、などコントロールが難しく、さらに電力システムが複雑化する。「我々の仕事は、お客様とのコミュニケーションをもとにしたシステムづくりです。お客様のご要望や工場設備はそれぞれ異なりますから、最適なシステムをつくるということは常にオーダーメイドであるということです」と三木。

受変電設備の寿命は50年とも言われ、多くの現場を担当するTMEICの技術者と違い、お客様は人生で一度あるかどうかのプロジェクトになる。三木はこう言う。「ご要望を聞いていると、TMEICへの期待を強く感じます。お客様の実現したいことを形にするためにとても気を配りますね。幾度も打合せを重ね、設計を検討し、検査・試験を繰り返して、ようやく電気を送り込む日、受電開始のスイッチを入れた瞬間、電気室内に『ドーン』という音が鳴り響き、変圧器に電圧がかかった『ブーン』という音とともに、受電ランプが灯ったとき、『ああ、いま工場に魂が入ったな』と思います。成功の安堵感に包まれたお客様の笑顔を見ると、技術者冥利につきますね」。

生産現場の電気の安定供給に応えるべく、トラブルシューティングまで想定した特別なソリューションを提供している

<MOVIE>

取材協力:国際石油開発帝石株式会社(INPEX)

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