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Vol.05 We drive industry ~TMEICブランドを世界に~Play movie

海外進出を加速させているTMEIC。現在の連結売上高における海外比率は約4割弱だが、将来的には6割程度まで引き上げる戦略。広報・広告活動を通じてTMEICブランドを拡げていく役割を担うブランド企画グループにおいても、グローバル・コミュニケーションが大きなテーマになっている。

key person(キーパーソン)

  • ブランド企画グループ 島田 典子
  • ブランド企画グループ 川村 聡之
経営企画本部 事業開発・広報部

日本発 = 現地発

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「現在、TMEICは13の国・地域、グループ19社で展開しています。海外の現地法人は北米、ヨーロッパ、中国、東南アジア、インドの5拠点に、製造拠点は中国に4カ所、インドに2カ所、米国に1カ所あります。これからますますグローバル化が加速するなかで、海外においても一貫性をもって、TMEICブランドをコミュニケーションしていくことが私たちの大きなチャレンジになっています」と川村は言う。

最初に着手したのが、企業ロゴの取り扱いルールの徹底。「日本で使用しているビジュアル・アイデンティティ・ガイドライン(以下、VIガイドライン)をもとに2年前に海外版を作成し周知していますが、現地法人が制作する広告デザインを途中でチェックすると、守られていないことが多々あります。そんなときはVIガイドラインの該当箇所にマルをつけるなどして、修正の根拠がひと目で分かるように各国のマーケティング担当者にフィードバックしています。」と島田。現地法人によるブランドコミュニケーション活動と日本の本社から海外に向けて発信するブランドメッセージがぶれないように調整し、一貫性を大切にする。これがブランド企画グループの大きなミッションの一つである。

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海を越えてもフェイス トゥ フェイス

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2016年2月、TMEICはインドのベンガルールで開催された世界最大級の電力・電機産業の展示会「エレクラマ2016」に参加した。「インドで製造しているモータや大規模太陽光発電システム用パワーコンディショナなどを展示するにあたり、ブランド企画グループが現地法人と日本の各部署をつなぐ事務局となりました。インドは近年特に力を入れている市場です。展示会はお客さまと直接コミュニケーションできる貴重な機会ですから、インドの現地法人も最大の枠となる展示ブースをかまえて気合いを入れて臨みました」と川村は言う。ところが当初、現地法人と電話やメールで打ち合わせを始めたが、思うように進まない。プロジェクトに対する時間軸の考え方も日本人の感覚と異なる。何事も細かく決めたがる日本式に対し、インドの進め方は比較的おおらか。そこで、「週1回のテレビ会議を提案。顔を見ながら課題や要望を伝えあうなかで、コミュニケーションの質と密度が上がっていく手応えがありました。日本からタブレットを使った製品紹介用ARコンテンツを提案したときも、インド側でコンテンツにMAKE IN INDIA(※)のロゴを入れるために申請を進めてくれるなどスムーズに連携できました」と川村は振り返る。結果的に、TMEICのブースは多くの来場者で賑わい、200平米超のブースカテゴリーで最優秀となる「ベスト・ストール・アワード」も受賞。「ブースへ行くと、一番やりとりをしていた担当者が嬉しそうな顔で待っていて、受賞トロフィーの前で一緒に記念写真を撮りました。思い出の詰まった大切な一枚です。どんな国の人とのコミュニケーションでも最後は人対人。国民性より個性を気にしながら、顔を見て思いを通じ合わせることが大事。振り返れば、日本側のリクエストに対して彼からNOと言われたことがないんです。何でも受け止めてくれた懐の深さに、感謝の気持ちでいっぱいです」と川村は振り返る。

※インド政府が推進している、モノづくりを中心とした海外企業の投資を促進する政策。
 ロゴにはライオンのマークをあしらっている。

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カンマひとつが招くミスコミュニケーション

グローバル・コミュニケーションには、「翻訳」が欠かせない。プレスリリースや経営陣のスピーチの翻訳業務も務める島田は、「翻訳対象によって、方針を決めている」と言う。例えば社長のスピーチは、会社を代表した発信だからこそミス・コミュニケーションを防ぐことを第一とし、日本語で伝えたいことが英語でそのまま伝わるよう忠実に訳す。一方、広告のキャッチコピーはクリエイティブな要素が入るため、文化や感覚が異なる海外の人の感性にも伝わるよう意訳する。現在展開中の広告に使われているキャッチコピー『あきらめの悪い人』は、「直訳すると、“A person with a never give up spirit”となりますが、“person”は不特定多数であり、TMEICのことを指していると分かってもらえません。そこで、“A man”にして、TMEICマン=TMEICだと特定できるようにしました。同じく『額に汗する、スマート・テクノロジスト』も、“汗する”は“sweat”という単語を含む表現を一般的には使いますが、企業広告に“sweat”という単語が入るのはイメージの幅が広くなりすぎてしまうため良くありません。そこで、広告会社の担当者やネイティブのスタッフと話し合い、原文と離れて『Smart Technologist Putting Forth All He's Got』 としました」。

「翻訳」は怖さも伴う。海外メディアに載った社長インタビュー記事の校正中に、カンマが抜けていたために、TMEICの競合会社なのに、親会社と読める内容になってしまっていることを発見した事があった。「メディアから出てきた原稿を見てびっくりして、すぐに修正依頼をしました。1つひとつの『発信』が大切な企業メッセージだからこそ、本当に神経をつかいます」。

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“ルール”と“自由”

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本格的にグローバル・コミュニケーションに取り組み始めて2年。TMEICのタグライン『We drive industry(産業の原動力となり、人々の生活を豊かにする)』、このメッセージを世界の人々に届けるため、それぞれに試行錯誤が続く。

展示会のサポートのため各国を飛び回る川村は、「ブランド・コミュニケーションは、“ルール”と“自由”のバランスが重要なんだと分かってきました。たとえばVIガイドラインは“ルール”の部分。これは、いわば会社の顔ですからブランドの一貫性を保つために守ってもらわなければなりません。しかし、例えば展示会ブースは全体のトーン・アンド・マナーは守ってもらいつつ、ディテールのデザインなどは、国の文化や習慣に基づいてアレンジされるべき“自由”な部分です。一貫性を保ちつつ、自由の部分との最適なバランスをとっていく。そのためにはコントロールするのではなく、現地のメンバーとのコミュニケーションを通じて成功を模索していきたいと思います」。島田は、「私は日本国内からの発信を担当することが多いので、文化や習慣が異なる国や人間同士のコミュニケーションだからこそ、選ぶ表現にこだわりたいです。目標は、『TMEICのメッセージはいつも一貫性があって明快』といつか海外で評されること。そのために一人で悩むのではなく、周りの方と連携してグローバルなコーポレートコミュニケーションを推し進めていきたいです」。

Interview movie(インタビュー動画)

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