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Vol.03 西気東輸 ~中国国家プロジェクトに挑む~Play movie

「西気東輸(せいきとうゆ)」プロジェクトは、西部で採掘した天然ガスを、需要が集中する東部の大都市へパイプラインで輸送するという中国の一大国家プロジェクトである。パイプラインは中国を完全に横断し、その距離およそ4,000㎞。第1ルート(西側・東側)、第2ルート(西側・東側)、第3ルート(西側・東側)の3本に分かれ、2000年から順次工事が開始された。TMEICも国際入札に参加し、第2ルート・西側分から「超高速大容量モータ(以下、モータ)」および「電圧型可変速ドライブシステム(以下、インバータ)」などの電気設備を受注している。

key person(キーパーソン)

  • モータ&ドライブシステム 技監 川端 賢彦
  • プラントエネルギー営業部 営業第一課  中富 健斗
産業第一システム事業部

競合ひしめく入札を突破

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中国の一大国家プロジェクトとあって、ガスパイプラインで多くの実績を持つ欧州メーカー各社も入札に参加していた。「我々のモータとインバータは、パイプラインでの実績はなかったものの、鉄鋼分野では多く採用されており技術力には自信がありました。営業・技術・設計から集めたプロジェクトチームで、品質や生産能力の高さが伝わるよう分厚い資料を作成し勝負を挑んだのです。結果、金額・技術ともに1位の評価をいただき受注が決まったのですが・・・嬉しいよりも先に、これは大変なことになったなと(苦笑)。やれることは全部やりましたが、本当に受注できると思ってはいなかったのが本音です」と川端は振り返る。
天然ガスは、200~300㎞間隔で設置されたコンプレッサ(圧縮機)によって東へ東へと送り出される。「コンプレッサを高速回転させるのが、モータとインバータの役割です。当社の製品は、振動・騒音を抑えつつ通常の1.5倍にあたる5,200回/毎分で超高速回転しますので、非常に評価が高かったと聞いています」と川端。

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言葉よりも絵を描け

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TMEICは、第2ルート・西側以降も続々と受注。営業の中富は、第3ルート・西側分からプロジェクトに加わり、客先及び現地との調整を担当した。「学生時代を海外で過ごしていたこともあって、英語で世界を舞台に仕事がしたいと思っていました。西気東輸プロジェクトは、社内外で話題でしたので、選ばれたときは素直に嬉しかったです」。しかし、今回のプロジェクトにおいて現地とのコミュニケーションは、英語や日本語で通訳に伝え中国語に訳してもらうという流れがほとんど。より正確な伝達が鍵になる。「納期や仕様に関することなどは、ほんの少しの翻訳ミスでも大変なことになってしまう可能性があります。中富には、『言葉や文章だけでなく必ず絵を描け』と。表や図面をセットにして、一目で相手が分かる工夫をする。このひと手間が、お客さま・当社双方にとって大きな意味を持ちます」と川端は言う。

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ウルムチで昼食を

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確かな物を、期日どおりに納める。これこそが中国のTMEICに対する信頼につながっている。「数ヶ月に一度、プロジェクトに携わる全企業が集まる進捗管理会議があります。10数社が資料をもとに進捗を報告するのですが、難しいプロジェクトでもあったため、どの企業も大なり小なりトラブルやスケジュールの遅れを抱えていました。会議の度に『遅延無し』と報告していたのは当社くらいではなかったでしょうか」と川端。「ある時、川端の代理でウルムチまで出張し会議に出席したのですが、いざ当社の報告順になるとお客さまが『(信頼しているから)TMEICは発表しなくても大丈夫。』と笑顔で言って下さり、結局、会議で一言もしゃべらず、片道2日間もかけてウルムチまでやってきて、そのまま町で昼食をとって帰国しました」と中富は笑う。「お客さまと約束した納期を守るのは当たり前のことですが、最重要なことでもあります。たとえば納品時期が日本の台風の時期と重なってしまったときも、事前に遅延リスクを想定し、日別で貨物船を仮押えするなどしていました。実際に荷積みの日を早める決定をした時は、製品検査を長崎と横浜の2ヶ所に分けてスピードアップするなどの調整もしました」と中富。

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プロジェクトの基本は、人と人

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中富がプロジェクトを通して強く感じたのは、人とのつながりの大切さだと言う。「今回の受注内容に、中国企業の方に対しての製品研修が含まれていました。私はコーディネーターを務めさせていただいたのですが、そこで出会った中国の方が私の訪中を現地法人の方から聞いて、わざわざサプライズでホテルまで駆けつけてくれたんです。外国の方と仕事をするということで構えていたところがありましたが、共に同じ目標に向かって過ごす中で、心のつながりが生まれているんだと感じました。2016年末まで、プロジェクトは続きます。社内の仲間はもちろん、現地法人の皆さん、一緒にプロジェクトを進める各企業の皆さんと力を合わせれば、必ず成功させられる。共にゴールを目指し、最後にみんなで喜び合いたいと思います」。

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