モータドライブ装置

モータを巧みに制御して、
さまざまな産業を支えます。

TMdrive-70e3

TMdrive-70e3

最新のパワーエレクトロニクス技術とIoT・Digital技術の融合

TMdrive-70e3は、最新の制御装置を採用した高性能大容量ドライブ装置(インバータ)です。フィールドデータの収集・解析機能、高い拡張性を予め備えており、鉄鋼プラントなどの制御に特化したモータ制御装置として、操業の安定と効率化、高い保守性、デジタライゼーション、省エネに貢献します。
また、既設ドライブ装置の自動制御盤をe3化することでIoT機能を追加することも可能です。※オプション

出力電圧 : 出力容量 3650Vac : 6~44MVA

特長

TMdrive-70e3は、水冷のIEGT素子を用いた3レベルインバータです。
産業システム用大容量ドライブ装置として国内外で2000バンク以上の納入実績を持つTMdrive-70、70e2シリーズの後継機種であるTMdrive-70e3は、これまでに培われたパワーエレクトロニクス技術・経験による高い信頼性を誇り、最新の技術を惜しみなく採用することで従来機種を超える高速・高精度のモータ制御を実現します。

概要(TMdrive-70e3)

デジタライゼーションに貢献

デジタライゼーションに貢献

データ収集機能

モータおよびドライブ装置の電流・電圧・速度のような制御データの収集、監視に加え、フィールドデータを収集し、外部の解析装置に送信することでモータにより駆動されるプラント状態も監視することが可能です。TMdrive-70e3にはフィールドデータを収集するための拡張入出力、用途に応じたデータ加工を行うデータ収集機能、データの一時保存用バッファがあります。さらに、PLC、ドライブ、制御ネットワークから構成される制御系と監視およびデータ収集専用ネットワークを分離することで、制御系のサンプリング周期より高速なデータ収集・外部出力を実現します。また、内蔵されたSDカード(メモリ)による長期履歴データを保管可能です。

高速演算機能

高速演算機能は、周波数解析のような、データの高速サンプリングが必要な演算を行い、結果の一時保存と上位解析装置への送信を行います。制御機能と高速解析機能、制御ネットワークと監視およびデータ収集ネットワークを分離することで、制御ネットワーク、およびドライブのCPU演算負荷を上げることなく高速演算を行うことが可能です。

プラント制御に特化したドライブ

TMdrive-70e3は簡易的なシーケンサ機能があり、用途・目的に応じて、アプリケーションソフトの追加が可能です。
また、I/O基板を追加接続することで外部信号の入・出力点数を拡張できます。

プラント制御に特化したドライブ

高性能・高機能

TMdrive-70e3は高圧・大容量の最新のパワーデバイスIEGTを採用し、3レベル・PWM制御の採用により最大3650Vまで出力できます。

  • 従来よりさらなる大容量・コンパクト化・メンテナンス性の向上
  • 純水冷却装置採用
  • 2バンク、4バンクの並列接続により、最大44MVAまでの大容量化が可能
  • 大幅に改善されたアクセシビリティによる優れた操作性

多彩な伝送インターフェース

上位伝送基板を選択できるので、さまざまなPLCと伝送を行うことができます。

ユニファイドコントローラnvシリーズやVmシリーズtypeSを使った次世代制御システムに適合した構成となっています。また、既設主幹との接続も容易です。

PLCとの互換性

電源系統にやさしいドライブ装置

TMEIC独自の高効率コンバータ制御(固定パルスパターン)

高調波が少なく、電源に優しいシステムを供給します。
また、電源電圧が変動した場合、電圧変動が抑制されるように無効電力が発生します。

電源系対策

多彩な制御機能

鉄・非鉄圧延機主機ドライブでの豊富な実績に裏付けられた多彩な制御機能を搭載します。

  • 固定パルスパターンコンバータ
    TMEIC独自の電源電圧変動抑制効果を持つ高効率コンバータ制御を標準採用。高調波が少なく、電源に優しいシステムを供給します。
  • SFC(シミュレータ追従制御)
    駆動軸の捻れ振動系の影響を低減し、より高い制御応答を実現します。
  • RMFC(規範モデル追従制御)
    規範モデル(速度制御+機械モデル)を追加し2自由度制御系を構成することにより、揃速性と外乱負荷応答を向上します。
  • インパクトモニタ機能
    材料噛み込み時の圧延トルクを推定し、圧延時のインパクトドロップを低減する機能をドライブ内部で実現しています。
  • 同期モータの新磁束制御
    電磁界解析データを基にした磁束制御により、同期モータの特性を正確に把握し、高い調整精度を実現するとともに現地での調整に要する時間を短縮できます。
  • 界磁極性切替え
    盤内の導体接続を切り替えることにより、界磁の極性を反転できます。同期モータのスリップリング表面の荒れ防止に役立ちます。

各種機能安全規格に対応

機能安全規格IEC/EN 61800-5-2に対応※1した安全機能を搭載します。
オプションで、STO,SS1,SLS,SBC,SSMの安全機能を、SIL 3, PL eで実現します。

安全機能 パフォーマンスレベル 備考
標準 STO 安全トルク遮断 SIL2, PL d
オプション STO 安全トルク遮断 SIL3, PL e 機能安全基板が必要
SS1 安全停止1
SLS 安全停止保持
SBC 安全ブレーキ出力
SSM 安全速度範囲出力

※1 2024年以降の認証取得予定

多彩な主回路構成

従来機種よりもラインアップを拡充し、最適なフレームで幅広いモータを駆動できるようになりました。また、DC電圧を共通化し、列盤可能な構成としているため、各フレームを組み合わせたフレキシブルで多彩な構成を実現できます。

多彩な主回路構成

異なるフレームを組み合わせたバンク構成例

異なるフレームを組み合わせたバンク構成例

高い保守性

ダウンタイム削減

容易なパラメータの引き継ぎ

CTR基板(主制御基板)を交換する際、パラメータが保存されたSDカードを新しい基板に差し込むことでドライブの情報を引き継ぐことが可能です。

予防保全

有寿命部品の稼働時間を計測し、交換時期にアナウンスします。突発的な故障を防ぎ、稼働率を向上させます。

監視・メンテナンス用ツール

TMdrive-Navigator

TMdriveシリーズの調整保守監視のために開発されたトータルメンテナンスツールです。ドライブパラメータの変更、管理、故障時のドライブデータの収集が可能です。パラメータの調整は、鉄鋼圧延ラインの用途に応じて、最も効果的な機能を厳選して、効率よく必要なパラメータを調整することが可能です。ー方で、「応答を上げたい」、「振動を抑制したい」といった特殊な要求に合わせて詳細な調整パラメータを精調整することで、より詳細な調整も可能です。重故障、軽故障発生時のトレースバックの保存数および記録時間は、TMdrive-70e2と比較して増加しました。また、年単位の長期にわたるデータ保存も可能です。
TMdrive-Navigator

TMdrive-Monitor

スマートフォン、タブレットから、ドライブの運転状態、故障情報を監視することができます。故障時にトレースバックデータの吸上げが可能です。
TMdrive-Monitor

TMdrive-Support

ドライブ盤面の操作パネルに、QRコードが表示されます。スマートフォン、タブレットでQRコードを読み取ることで、定格など装置情報が取得できます。また、故障時に表示されるQRコードを読み取ることで、該当故障のトラブルシューティングがスマートフォン、タブレット上に表示されます。
TMdrive-Support

既設ドライブのIoT機能追加(e3化)

既設のドライブ装置※2の自動制御盤だけ更新することで、変換器盤を流用したままloT機能を追加することが可能です。

更新例

変換器盤・界磁盤を流用
既設の自動制御盤を盤ごと更新

※2 対象機種は以下の通り
TMdrive-P70・70/TMdrive-P70e2・70e2
TMdrive-P50・50

更新例

交流ドライブシステム更新

インバータ最大出力電圧を3650V出力可能で、既設の交流電動機を流用した更新も容易となりました。

交流ドライブシステム更新
  • ※3 GTO: Gate Turn-Off thyristor
  • ※4 GCT: Gate Commutated Turn-Off thyristor
  • ※既設モータの流用可否については、弊社にお問い合わせください。

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