モータやタービン発電機の製品寿命は、外部環境や部品劣化など多様な要因により、同じ製品でも設置場所により左右されることもあります。設備には外から見ただけではわからない劣化やわずかな破損など、内部に問題がある場合もあります。特殊設備を用いてプロがメンテナンスを行うことで、異常の早期発見が可能です。適正な保守点検時期に、プロの目でメンテナンスを行うことが、プラントの安全を守ります。
モータ・タービン発電機のメンテナンスについて ※誘導モータの場合
機械の動力源として使用されているモータは、半永久的な寿命を有しメンテナンスフリーの機器と思われがちですが、実際は大きく異なります。運転年数が短い時期では、振動や軸受などの機械的故障が多く現われ、運転年数が長くなるにつれて絶縁劣化による事故が増えてきます。
また、絶縁破壊事故の原因になっている劣化等は、点検時に容易に発見できるものが多く、事故を未然に防ぐためにも、モータの定期点検は重要です。
■事故事例
■メンテナンスの流れ(推奨点検周期)
■点検項目
部品名称 | 劣化現象 | 劣化要因 | 故障が急激に増加する年数 | 点検内容 | 補修内容 | 処置内容 |
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固定子鉄心 | 緩み・変形 | 電磁力・振動 | 20 年 | 目視・打音・こじり | 洗浄・ワニス処理 | 鉄心増締め |
固定子コイル | 絶縁不良 | 課電・熱劣化 | 10~15 年 | 目視・絶縁診断 | 洗浄・ワニス処理 | コイル巻替え |
口出し線 | 絶縁不良 | 課電・熱劣化 | 15~20 年 | 目視・触手 | 清掃手入 | ケーブル取替 |
楔、糸縛り | 枯れ・緩み | 電磁力・振動 | 10 年 | 目視・打音・触手 | 洗浄・ワニス処理 | 楔取替・糸縛り直し |
回転子鉄心 | 緩み・変形 | 機械的応力 | 20 年 | 目視・打音・触手 | 洗浄・ワニス処理 | 鉄心増締め |
ローターバー | 緩み・亀裂 | 機械的応力 | 10~15 年 | 目視・打音 | 洗浄・ワニス処理 | ローターバーカシメ |
短絡環 | 剥離・亀裂 | 機械的応力 | 10~15 年 | 目視・非破壊検査 | 洗浄・ワニス処理 | 銀ロー付部補修 |
シャフト | 変形・亀裂 | 機械的応力 | 20 年 | 目視(非破壊検査) | 清掃手入 | シャフト取替・部分補修 |
固定子枠 | 腐蝕 | 環境 | 10~15 年 | 目視(非破壊検査) | 清掃手入 | 脚板削正 |
軸受 | 損傷・剥離・摩耗 | 潤滑・外力・振動 | 10~15 年 | 目視・寸法測定・非破壊検査 | 洗浄・手入 | メタル注替入 |
風道 | 腐蝕 | 環境 | 15~20 年 | 目視 | 洗浄・手入 | 部分補修・風道取替 |
■診断サービス
TMEICは、絶縁診断など、各種診断サービスを利用した定期メンテナンスをお奨めしております。
詳しくは診断サービスをご覧ください
■予備品・推奨交換周期
予備品として推奨する主な製品と、交換周期は製品別予備品ページでご確認ください。
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