受変電設備

受変電設備はメンテナンスが大切です。
各種メンテナンス、注意事項を紹介します。

受変電設備は使用する機器や環境によって経年劣化状況が大きく変化します。
TMEICは、親会社である東芝・三菱電機で長年培った保守技術により、受変電設備の機器導入から各機器の異常察知、安定稼動・更新まで、設備のライフサイクル全般にわたってお客様が安心して使用できる保全業務をサポートいたします。

受変電設備のメンテナンスについて

受変電設備のメンテナンス
受変電設備は、工場を支える重要なインフラであり、お客様による日常点検をはじめ、経年を踏まえた適切な予防保全対応が不可欠となります。
計画的な保全計画により、設備稼動の最大化を実現するとともに機会損失を最小化しお客様の経営に貢献していきます。

■ライフサイクルにおける延命化と更新の概念

ライフサイクルにおける延命化と更新の概念

 出典:JEMA「あなたの受変電設備の診断はお済ですか 設備診断と保守のおすすめ」

■電気設備では経年劣化・環境により下記のような事故が発生しています。

各種診断結果に基づき、必要な直近の予防保全、延命化処置による突発リスク低減のご提案および今後の更新も視野に入れた総合経済性向上・安定稼動に向けた各種ご提案を実施させていただいています。
機器 事故内容 原因 被害 稼働後年数 業種
特高油入変圧器 特高受変電設備用1号10MVA油入変圧器において、衝撃ガス圧Ry動作によるトリップでバンク停電発生。 巻線抵抗および変圧比に異常があり、油分析結果ではアセチレンが検出され、変圧器内部の異常と判断された。経年劣化での内部異常(巻線のレアーショート) の可能性あり。 バンク停止により、約2500kW程度の負荷が停電したが、非常用発電機によるバックアップがあり、停電時間は約30秒。完全復旧までは、数ヶ月。 37年 某 化学工場
高圧盤 3kV屋外高圧盤(MBB遮断器収納)内で母線短絡事故が発生し、該当バンクが停電。 盤内に水漏れが発生していた。屋外天井部盤間仕切 り防滴カバーの経年劣化による雨水浸入により母線支持板付近で短絡に到ったと想定される。 該当バンク内の6フィーダーが給電不能となった。約12時間操業停止。 34年 某 製鉄所
高圧盤 接地変圧器の回路に設置されている地絡リレー(51G)が動作し、工場全停電となる。 接地変圧器(H種乾式)の経年劣化によるU相下部沿面地絡によるもの。 工場全停電に至る。約3時間操業停止。 28年 某 自動車工場
MCC 第二電気室MCCに収納されているユニットが焼損。発煙による影響で該当MCC盤内の垂直母線下部も溶損した。 絶縁劣化によってコンタクタのコイル巻線がレアショートし、コイルが焼損した。それに伴って、制御TR過負荷、一次および二次コイルが損傷し、煙が発生。煙は垂直母線部に侵入し、空気の絶縁抵抗が低下、アー クが発生。垂直母線短絡が発生し、アークが負荷側に移行。アークが垂直母線最下部で滞留し溶損した。 負荷が出火、照明用のため生産への影響は無かったが、火災発生につき消火に際して消防署が出動。 35年 某 製油所
GCB 受電地絡過電流(51GR1)が動作し、受電遮断器 (52R1)トリップ、工場全停電に至る。構内調査で1 号変圧器1次の遮断器(単独据置GCB)のR相破損を確認。 経年劣化によるGCB主回路接触子の接続不良により異常加熱が起き、内部ガス圧上昇によって碍子が破損した。 工場全停電に至る。仮処置にて操業再開。約14時間操業停止。 35年 某 製鉄所

■電気設備機器診断技術

機器の診断技術は「活線診断」と「停電診断」に分けることができます。設備に合わせた最適な方法により、実施することで得られる情報は有益であり、積極的に診断を実施することを推奨しています。
○ 活線診断  ◎ 活線及び停電診断 ● 停電診断
機器名設備診断項目
部分放電測定
局部過熱測定
環境測定※1
ガス成分分析
ガス密度測定
ガス漏れ測定
ガス中水分量測定
X線透視外部診断
騒音測定
超音波探傷
絶縁油特性試験
油中ガス分析
油中CO+CO2診断
油中フルフラール診断
漏れ電流測定
絶縁抵抗測定
開閉動作特性
接触抵抗測定
汚損度測定※2
グリース分析
真空チェック
ストローク測定
コイル抵抗測定
平均重合度診断
静電容量測定
保護継電器単体特性試験
有機絶縁物劣化診断
ガス絶縁開閉装置
(GIS/C-GIS)













断路器



















真空遮断器
(VCB)















ガス遮断器
(GCB)













計器用変成器




















油入変圧器















ガス絶縁変圧器
















モールド変圧器




















乾式変圧器




















避雷器





















電力用コンデンサ




















気中スイッチギヤ



















以下の機器については生産中止機器につき、他機種へ更新されることをおすすめします
油遮断器
















空気遮断器

















磁気遮断器

















※1 環境測定:温・湿度、腐食性ガス測定
※2 汚損度測定:等価塩分付着量測定など

 出典:JEMA「あなたの受変電設備の診断はお済ですか 設備診断と保守のおすすめ」

■機器別点検周期と更新推奨時期

診断推奨時期は更新推奨時期の5年前としておりますが、精密点検時期に合わせるなど配慮も必要となります。
設備区分 機器名称 普通点検周期(年) 精密点検周期(年) 診断実施推奨時期(年) 更新推奨時期(年) 使用者の平均更新期待年数 ※3 ※4 (年)
特高受変電設備 GIS 1~3 6 20 25 28.0
C-GIS 1~3 6 20 25 28.0
断路器 1~3 6 15 20 27.1
真空遮断器 1~3 6 15 20 25.5
ガス遮断器 1~3 6 15 20 25.7
油入計器用変成器 1~3 6 15 20 26.5
避雷器 1~3 6 15 20 25.8
油入変圧器 1~3 6 20 25 27.6
ガス絶縁変圧器 1~3 6 20 25 -
気中スイッチギヤ 1 6 15 20 -
高圧受変電設備 断路器 1~3 6 15 20 25.2
真空遮断器 1~3 6 15 20 25.5
ガス遮断器 1~3 6 15 20 26.8
モールド計器用変成器 1~3 6 12 15 26.3
避雷器 1~3 - 12 15 -
油入変圧器 1~3 6 15 20 27.6
気中スイッチギヤ 1 6 15 20 25.8
配電設備 断路器、遮断器、計器用変成器 1~3 6 高圧受電設備に同じ 高圧受電設備に同じ 高圧受電設備に同じ
負荷開閉器 1 2 ※5 - 屋内15 屋外10 屋内24.9
ACB, MCCB 1 6 6~12 15 -
電磁接触器 1~3 6 12 15 真空25.5
限流ヒューズ 1 - 6~12 屋内15 屋外10 16.2
電力用コンデンサ(高圧) 1 6 12 15 23.2
油入変圧器 1~3 6 15 20 27.6
モールド変圧器 1~3 6 15 20 27.1
スイッチギヤ
コントロールギヤ
1 6 15 20 -
監視・保護設備 監視盤 1 6 15 20 -
デジタル形保護継電器 1~3 6 12 15 18.2
以下の機器については生産中止機器につき、他機種へ更新されることをおすすめします
特高受変電設備 油遮断器 1~3 6 15 20 26.1
空気遮断器 1~3 6 15 20 26.0
高圧受変電設備 油遮断器 1~3 6 15 20 26.1
磁気遮断器 1~3 6 15 20 -
配電設備 乾式変圧器 1~3 6 15 20 26.9
監視・保護設備 誘導形保護継電器 1~3 6 15 20 23.9

※3 一般社団法人日本電機工業会「受変電設備の保全に関する案アンケート調査」報告書 平成15年3月
※4 使用者の平均更新期待年数は更新までの平均期待稼働年数
※5 分解をともなわない点検

 出典:JEMA「あなたの受変電設備の診断はお済ですか 設備診断と保守のおすすめ」

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