TMdrive-10e3
高い信頼性と最先端技術を両立。
TMdrive-10e3は、最新の制御装置を採用した高性能ドライブ装置です。フィールドデータの収集・解析機能、高い拡張性を予め備えており、鉄鋼プラント、製紙プラント、クレーンといったプラントの制御に特化したドライブとして、制御性と保守性の向上、デジタライゼーションに貢献します。
440V/460V:Max.1800kVA
概要/特長
TMdrive-10e3は、実績を重ねたTMdriveシリーズの主回路を活かし、最新の制御装置を実装しました。高速・高精度のモータ制御や、多種PLCとの接続といった、ドライブ装置として高い性能に加えて、フィールドデータの収集・解析機能、ドライブが適用される設備及び機器固有の要求を満足する拡張性を提供します。さらに、監視・メンテナンス用ツールを充実させて、ドライブの保守・調整機能が向上しました。TMdrive-10e3は、鉄鋼プラント、製紙プラント、クレーンといったプラントの制御に特化したドライブとして、制御性と保守性の向上、デジタライゼーションに貢献します。
■TMdriveシリーズの変遷
TMdrive-10e3のインバータの構造は、多段積収納型(コンデンサ初期充電機能あり・なし)、自立盤型の3種類があります。従来のTMdriveシリーズとのコンバータ共通化が可能なため、既設のコンバータ・インバータと混在した設備拡張も可能です。また、 IOユニットを追加接続することで、外部信号の入出力点数を拡張できます。
■デジタライゼーションに貢献
データ収集機能
TMdrive-10e3は、モータの制御に加えて、モータおよびドライブ装置自身の電流・電圧・速度のような制御データ、さらにはセンサ信号を取り込むことでフィールドデータを収集することが可能です。収集したデータを、外部の解析装置に送信することで、モータおよびドライブ装置のみならず、モータにより駆動されるプラント状態も監視することが可能です。TMdrive-10e3には、フィールドデータを収集するための拡張入出力、用途に応じたデータ加工を行うデータ収集機能、データの一時保存用バッファがあります。さらに、PLC、ドライブ、制御ネットワークから構成される制御系と監視およびデータ収集専用ネットワークを分離することで、制御系のサンプリング周期より高速なデータ収集・外部出力を実現します。また、SDカードメモリを内蔵し、長期履歴データを保管可能です。
高速演算機能
高速演算機能は、周波数解析のような、データの高速サンプリングが必要な演算を行い、結果の一時保存と上位解析装置への送信を行います。制御機能と高速解析機能、制御ネットワークと監視およびデータ収集ネットワークを分離することで、制御ネットワーク、およびドライブのCPU演算負荷を上げることなく高速演算を行うことが可能です。
■プラント制御に特化したドライブ
TMdrive-10e3は簡易的なシーケンサ機能があり、用途・目的に応じて、アプリケーションソフトの追加が可能です。また、I/O基板を追加接続することで外部信号の入・出力点数を拡張できます。
■ダウンタイム削減
簡単なユニット交換
SDカードにドライブパラメータの保存が可能です。ユニット交換時には、このSDカードを新しいユニットに差し込むことで、ドライブの情報を引き継ぐことが可能です。
予防保全
有寿命部品の稼働時間を計測し、交換時期にアナウンスします。突発的な故障を防ぎ、稼働率を向上させます。
■高速・高精度のモータトルク制御
e3シリーズの特徴の一つであるDTFC(Direct Torque and Flux Control)を搭載したTMdriveでは、周囲環境や負荷状況の変動、経年に対するモータの特性変動に対して高いロバスト性を有し、全運転範囲にて業界をリードする最高の性能を発揮します。 DTFCにより磁束とトルクを直接制御することで高精度なトルク制御を可能とし、トルク応答を高速化します。また最適トルク・磁束基準生成器により、更なる高精度化、運転範囲の拡張と制御安定性向上を実現します。
■機能安全
機能安全規格IEC/EN 61800-5-2に対応した安全機能を搭載します。
オプションで、STO,SS1,SLS,SBC,SSMの安全機能を、SIL 3, PL eで実現します。
安全機能 | パフォーマンスレベル | 備考 | ||
---|---|---|---|---|
標準 | STO | 安全トルク遮断 | SIL2, PL d | |
オプション | STO | 安全トルク遮断 | SIL3, PL e | 機能安全基板が必要 |
SS1 | 安全停止1 | |||
SLS | 安全停止保持 | |||
SBC | 安全ブレーキ出力 | |||
SSM | 安全速度範囲出力 |