発電と水質浄化を行う
微生物電池システム

産学連携による開発

2022年から開始した産学連携による開発は、
他の企業を加えたオープンイノベーションとして、その輪を広げています。
2023年からはNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)による開発助成を受け、
共同研究で「微生物電池セル」の発電効率の改善や、大面積化・高集積化の技術開発に取り組んでいます。

TMEICはミスト成膜技術、制御技術、パワーエレクトロニクス技術を活用し、発電と水質浄化の機能を併せ持つ、
コンテナサイズにパッケージ化した「環境浄化型微生物電池システム」の実用化を目指しています。

薄膜化と積層化課題を乗り越えるミスト成膜技術

微生物電池から多くの電気を取り出すためには、
より薄く、より広く「微生物電池セル」をつくり、より多く重ねることが必要になります。

TMEICには、長年の独創技術開発事業で培ってきた薄膜の成膜技術(ミスト成膜技術)があります。
ミスト成膜技術は、ミスト成膜装置「TMmist」を用いてコート材料をミスト化し、
成膜対象にダメージを与えずにナノレベルの高品質な薄膜を成膜する技術です。
このミスト成膜技術を用いて、大面積の基板に導電性材料を薄く成膜することで、
微生物電池セルの積層化へ挑戦しています。

微生物電池セルの構成 微生物電池セルの構成

「TMmist」の詳細はこちら

制御技術・パワーエレクトロニクス技術

将来は、微生物電池セルを大型化・積層化したセルスタックを構築し、
さらに複数のセルスタックを繋げてコンテナサイズにパッケージ化し、
発電と水質浄化の機能を併せ持つ「環境浄化型微生物電池システム」の実用化を目指しています。

環境浄化型 微生物電池システム 環境浄化型 微生物電池システム

微生物電池システムから電力を安定して取り出すためには、発電菌に与える有機物を含んだ廃水の量や
濃度・温度などを適切に管理・供給する必要があり、発電装置全体の制御技術も必要になります。
また微生物電池システムから取り出される電気は直流であるため、
外部に送配電を行う際には直流から交流にする電力変換装置が必要です。
さらに電力需要に合わせて、供給する電力量を調整する電力制御システムも欠かせません。

TMEICは、再生可能エネルギー分野をはじめとする多くの分野で
発電装置全体の制御技術や電力変換技術、電力制御技術を提供してきた実績があります。
これらの技術を活用し、微生物電池システムの実用化を目指しています。

微生物電池システムと制御・パワエレ技術 微生物電池システムと制御・パワエレ技術