大容量蓄電システム
再生可能エネルギーの現状
日本国内では、2012年の再生可能エネルギー特別措置法の施行以来、
太陽光発電を主力とする再生可能エネルギーの導入が
46GW(2018年12月末時点)を超え、現在も急速に進んでいます。
その結果、2018年には九州地域において、再生可能エネルギーを含めた発電量がその地域の消費電力量を
大きく上回る可能性が出てきたため、日本で初めて電力会社による
再生可能エネルギーの出力抑制指令が指示されました。
一方、資源エネルギー庁では、2030年までにはエネルギー自給率を高めること、
電力コスト・温室効果ガス排出量の削減することを目的とし、
再生可能エネルギーを電源全体構成の22〜24%まで引き上げることを目標に掲げています。
電源構成
しかし、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーは天候などの影響を受けて発電量が変動してしまいます。
発電所で発電した発電電力量と、工場や家庭で利用される消費電力量の需給バランスが崩れてしまうと、
最悪の場合、停電や機器の故障につながる恐れが出てきます。
こういった事態を防ぐために従来は電力需給バランスを保つために余剰電力を用いてダムに水をくみ上げておき、
必要な時に放水して発電する揚水発電や、瞬間的な電力変動を抑制するための様々な補償装置などの導入がなされ、
電力の安定供給を保ってきました。
しかし、再生可能エネルギーのニーズが高まるにつれ、変動を含む再生可能エネルギー発電量の大幅な増加に伴い、
発電側にも電力の安定供給が求められるようになってきています。
また、発電側の安定供給が実現されない限り、目標とする再生可能エネルギーに対する電源全体構成22〜24%を
実現することは困難な状況となっていると言えます。
電力系統安定化のための
大容量蓄電システム
発電量が気象により影響を受ける再生可能エネルギーを安定して供給していくには、
様々な課題が残されています。
例えば、大規模な太陽光発電所や風力発電所は、
主要な電力消費地である大都市や工場地帯から遠く離れた地域に多く設置されています。
このような地域の多くは電線の送電能力が小さく、メガソーラ等で発電された巨大な電力すべてを
そのまま電力消費地に送ることはできません。
また、再生可能エネルギーの導入が進む北海道では、電力の適正な電圧と周波数を維持するため、
再生可能エネルギー供給量の出力変動を一定以下に抑制することが求められます。
また、風力発電などでは、発電した電力を一度蓄電池に貯め、電力消費量に合わせて
電力供給量を調整する機能を供える必要もあります。
(a)短周期の出力変動緩和対策の基準
全ての時間において、発電所合成出力の変化速度を「発電所定格出力の1%以下/分」
(b)長周期の出力変動緩和対策の基準
以下の指定時間帯において、発電所合成出力の変動方向を制御
17:00~10:00:発電所合成出力を減少させない
11:30~13:30:発電所合成出力を増減させない
16:00~19:00:発電所合成出力を減少させない
20:00~23:00:発電所合成出力を増加させない
(出典元)北海道電力株式会社 風力発電設備の出力変動緩和対策に関する技術要件
<北海道電力による風力発電の出力変動緩和対策イメージ>
<風力発電所要求運転シミュレーション事例>
TMEICでは、系統安定化のため変動特性に合う各種システム製品をご用意しております。
ここでは、発電した電力を貯めることと電力消費量に合わせて
自在に充放電することが可能な、当社独自のシステム構成を持つ
大容量蓄電システムを紹介します。