力学的に電気を蓄える
重力蓄電システム

重力蓄電

重力蓄電とは

重力蓄電の原理は位置エネルギーと電力エネルギーの相互変換です。
位置エネルギーは、物体を持ち上げた際に、その高さや重さに比例して物体が持つエネルギーです。
たとえば重量物を高く持ち上げてから手を放すと、重量物は重力により落下していきます。
このとき、重量物にワイヤーと滑車をつけ、ワイヤーが回転機を回すようなシステムを作ることで、
重量物の持つ位置エネルギーを電気に変えることができます。

位置エネルギーの電力変換 位置エネルギーの電力変換

重力蓄電は、このような仕組みを利用します。
充電時は電気を使って回転機を回し、重量物を高い位置まで持ち上げます。
放電時は重量物の落下する力を利用して、回転機を回すことで発電します。
重量物10tを100m持ち上げると、理論的には2.7kWhのエネルギーを貯めることが可能です。

重力蓄電システム

重力蓄電システムは設置場所の地形などに応じて設計します。
蓄電能力は、高さ(揚程)と重量物の重さと個数により決まります。
一般的に、コンクリート塊などの重量物を垂直に上下させて充放電を行います。
この方式では狭い用地でも蓄電でき、エネルギーロスも少ないのが特徴です。

垂直方式 垂直方式

重力蓄電のメリット

重力蓄電には次のようなメリットがあります。

  • 山間部(急斜面)や廃坑(立坑)を利用することで、
    建設コストを抑えられる
  • 重量物の数を増やすことで蓄電容量を増やせる
  • 電力の安定供給に役立つ

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