製鉄所のCPS・
シミュレーション技術

CPS/シミュレーション技術の将来

CPSはこれまで欧米を中心に研究と実用化が進んできました。
これらの活動の中で、CPSの定義も進められてきました。

例えば、ドイツを中心に推し進められているインダストリー4.0の中でCPSの要素が記されており、
IoT(モノからの情報)、IoP(人からの情報)、IoS(サービスからの情報)が基本構成になっています。

CPS構成要素図 CPS構成要素図

現在の鉄鋼分野では多数のセンサを配置することにより、IoT化が進められていますが、
今後は熟練技術者による操業への介入などIoPが重要になると考えられています。
また、構築したサービスからのフィードバックも重要な要素となり、
これにより、より高度なCPSを構築することが期待されています。

一方、スマートファクトリー化によるデータ活用が進むと、
従来見えなかった改善ポイントを発見することができ、抜本的な効率改善が可能になります。
各工程から送られてくるプロセスデータを集約して管理するCPSは、
工場内の全体最適化をスムーズに実現し、
スループット(時間あたりの処理可能量)を最大化することなども可能です。
また、操業データが蓄積されていくことでデータ自体が経験値となり、
今までは熟練技術者のみが気付くことができたノウハウの形式知化にも応用が可能です。
熟練技術者に頼っていた領域を低減し、
自動化領域を拡大すると同時に、技術・技能の継承の課題改善にも貢献できます。

CPSの構築と運用には、
データの中から価値ある情報を抽出して分析するために必要な
IT(Information Technology)に関する知見と、現場から収集した質のよいデータを
解析して効果的に活用するためのOT(Operational Technology)に関する知見の両方が必要です。

TMEICでは、お客様に機器やシステムを販売・提供するだけではなく、
制御技術を通じて、お客様の操業を理解するように常に努めてきました。

これらの知見がOTとしてシステム導入に取り入れられることで、
常によりよい製品やシステムを実現することが可能です。

TMEICはこれまでのOTに関する技術をさらに活用し、CPSの構築・運用・改善を推進し、
お客様のDX(デジタルトランスフォーメーション)を加速し、
ひいては内閣府が科学技術政策として超スマート社会の構築を目指す
Society 5.0の実現に向け、今後も技術開発に取り組んで参ります。

  • 鉄鋼・アルミ・銅