大容量・高効率
高圧瞬低補償装置(MPC)

TMEICの瞬低補償装置(MPC)技術

MPC1000/2000/3000の装置外観

MPCとは

Multiple Power Compensator(多機能変換器)の略称になります。
通常給電時に使用する直送回路に低損失の高速スイッチ(HSS)を備え、
全電圧補償型変換器を並列接続して構成します。
変換器は、充電器とインバータの2つの機能を有した多機能変換器であることから、本装置をMPCと呼びます。

MPとは

充電器:常時はエネルギー蓄積装置へ充電を行う。
インバータ:瞬低時はエネルギー蓄電装置の電気を交流に変換して供給。

瞬低補償装置(MPC)の基本機能

通常時は交流入力の電圧波形の乱れを監視し、
瞬低を検出した時に交流スイッチHSS(High Speed Switch)を瞬時にオフにして直送回路を切り離し、
蓄電部をエネルギー源とした変換器からの給電に切り替えます。

瞬低補償装置(MPC)の基本機能

瞬低補償装置(MPC)の基本機能

一般的に、補償時間約3秒までは電気二重層キャパシタを選択し、
補償時間3秒を越える場合は蓄電池を選択します。

主な機能と特長

業界トップクラスの高効率

高圧瞬低補償装置(MPC)メカスイッチタイプで最大効率99.7%を達成。

高い給電信頼性

双方向変換器の並列運転大容量システムを構築可能。
将来の増設も可能です。また、万が一変換器の1台が故障した際も、当該変換器のみを解列し、
他の変換機により運転を継続します。変換器を冗長(n+1)構成とすれば給電信頼性も向上します。

10MVA MPCシステム構成例 10MVA MPCシステム構成例

HSS・各変換器の独立制御

HSS・各変換器それぞれ共通部を持たない独立制御としているため、
1箇所故障が発生した場合も他部位への影響はありません。
例えば、HSS部の故障時は無瞬断で52MB給電に移行し、
変換器故障の際は故障した変換器のみを解列して運転継続が可能です。

HSS・各変換器の独立制御

高速で確実な停電検出機能

瞬間的な電圧低下を検出する瞬時異常検出機能と、
実効値を観測し緩やかな電圧低下を検出する実効値異常検出機能を有しています。
いずれの検出機能も3線間個別に観測しており、検出値もそれぞれ個別に設定が可能です。

瞬時異常検出概念図 瞬時異常検出概念図

瞬時異常検出機能(系統事故を瞬時に発見)
入力電源の波形を逐次監視、設定範囲を所定時間以上逸脱した場合、瞬時に検出します。
更に設定値による電圧低下が大きい時はより高速に検出する電圧低下量判断機能も有しています。

実効値異常検出機能(高精度)
入力電圧の波形を逐次観測し、実効値を検出できる機能により、設定値より電圧低下したことを正確に検出することが可能です。

インバータアシスト制御で高速切換
※MPC2000のみ

系統の電圧低下を検出した際、高速スイッチ(HSS)をオフにすると同時に、
負荷設備に変換器で電力を供給(インバータアシスト)します。
高速スイッチ(HSS)の電流を高速にゼロ化した高速切換を実現することで、
従来は困難であった遮断時の電圧サージが最小化され、遮断直後の切戻し動作の安定化も図れます。

インバータアシスト制御で高速切換

系統電源にやさしいソフトスタート機能

復電後のインバータ給電から系統給電への切換動作時、
インバータから系統側へ負荷電流を穏やかに移行させる(負荷移行)制御を行います。
これにより、系統電源や発電機の変動を抑制でき、切戻し動作の安定化が図れます。

系統電源にやさしいソフトスタート機能

最新技術を駆使した
MPC1000/3000
シリーズ

2種類の異なる最先端の高速解列ハイブリッドスイッチ
(半導体スイッチで高速にメカニカルスイッチで確実に切換え)の採用により、切換時間1msecを達成。
瞬低に敏感な負荷設備に適用可能です。

2種類の異なる最先端の高速解列ハイブリッドスイッチ

高速切換タイプMPCのフィールドデータ
(商用電源が地絡したときの補償動作波形)
高速切換タイプMPCのフィールドデータ

豊富な実績で定評ある
メカニカル式
MPC2000シリーズ

数々の実績を積み、最先端の高速解列へ進化したメカニカルスイッチを採用し、
最大効率99.6%を達成。MPC3000シリーズと同じ12MVAまでの大容量対応が可能です。

数々の実績を積み、最先端の高速解列へ進化したメカニカルスイッチを採用

メカニカルスイッチタイプMPCの動作特性
(商用電源が地絡したときの補償動作波形)
メカニカルスイッチタイプMPCの動作特性

高圧MPC方式
瞬低補償装置
ラインアップ

(6.6kV配電系統用標準仕様) 高圧MPC方式瞬低補償装置ラインアップ