リニューアブルエナジー

TMEICの再生可能
エネルギー技術

TMEICが目指すのは、効率的かつ安定したエネルギー供給ができる
「再生可能エネルギーシステム」。

クリーンで半永久的に利用でき、次世代のエネルギー資源として大きな可能性を秘める再生エネルギーですが、
その活用には品質と効率の向上という大きな課題が残されています。

TMEICは長年の知識と経験に裏打ちされた確かな技術力で、
業界トップクラスの変換効率を実現。
再生可能エネルギーによる安定したエネルギーを供給するため、
「効率化」と「高品質化」の双方に取り組んでいます。

1.TMEICのPV-PCS

国内、海外のメガソーラ(100kW超)向けPV-PCSで
世界トップクラスのシェアを獲得。

出典元:IHS Technology社
(PV Inverter Market Tracker/2015年4月)

TMEICの太陽光発電関連サービス概要

TMEICだからこそ
実現できた大容量PV-PCS

1983年、前身である東芝時代に第1号機となる太陽光発電用の電力変換装置を
開発して以来、常に業界をリードし続けてきたTMEIC。
変換装置に加えて、国内電力会社向けの電力変換器や、無停電電源装置などの技術の粋を集めて誕生したのが、
「大規模太陽光発電システム用パワーコンディショナ(PV-PCS)」です。

「大規模太陽光発電システム用パワーコンディショナ(PV-PCS)」は
高い技術力に支えられた業界トップクラスの変換効率を誇り、
万全のサポート体制と実績を育んできた歴史と共に今もなお歩み続けています。

電力インフラ向けやUPSなどのパワーエレクトロニクス技術をベースに開発された
PV-PCSでTMEICは世界の再生可能エネルギーの発展に貢献します。

機種変遷

機種変遷 ※2003年以前は株式会社東芝の事業内容として紹介しております。

2. 業界トップクラスの
高効率技術

どの容量帯でも変わらずに高い変換効率を維持すること。
電力ロスを減らし、設備全体の消費電力量を削減すること。
いずれも再生可能エネルギーの高効率稼働の実現に求められることです。
TMEICは市場のニーズに寄り添い、これらの課題を先取りしてきました。

高効率実現の課題

こうした課題を解決すべく、TMEICは各機器の最適設計に注力してきました。

最大電力追従制御

ソーラーパネルには、IVカーブやPVカーブと呼ばれる発電特性があり、
太陽光の日射量と、PV-PCSによる運転電圧で発電量が決まります。
時々刻々変化する日射量に対し、常に最大電力点で運転する制御技術が、
「最大電力追従制御」です。

最大電力追従制御

TMEICのPCSが探り当てるポイントは、電力が最大になる点。
日射強度の変化に応じ、刻々と変化していく最大点を算出しています。

トランスレスPV-PCSの実現

1000kW-PCS(1000Vdc入力)基本構成 1000kW-PCS(1000Vdc入力)基本構成

産業用の太陽光発電所は6000V以上で連系されるため、
必ず昇圧機(トランス)が接続されます。
トランスレスPV-PCSでは、電力を平滑化するための
役割を昇圧トランスが実施することで、
PV-PCS内部のリアクトル装置をなくし、
高効率化を実現しました。

高効率(新3レベル)電力変換素子の採用

2-レベルと3-レベルの出力電圧波形比較 2-レベルと3-レベルの出力電圧波形比較

PV-PCSでは、ソーラーパネルで発電された
直流電力を、IGBT(Insulated Gate Bipolar
Transistor)半導体素子がスイッチング処理を行い、
交流電力に変換します。
TMEICの490kw以上のPV-PCSには変換効率の高い
3レベル方式の変換回路※を採用し、
さらに独自のIGBT素子配置設計を行うことで、
より高い変換効率を実現しています。

※一般的な2レベル方式では、回路は簡略化できますが、スイッチング処理による
損失(変換効率のロス)が大きくなります。

最適熱設計

ヒートパイプ冷却方式の採用(ファンレス運転モード) ヒートパイプ冷却方式の採用(ファンレス運転モード)

PV-PCSの出力が40%以下の場合、冷却ファンを停止した省エネ運転を実現。
発電量が40%を超えても、ファンの風速は低速運転を持続します。
こうした省エネ運転のシステムが誕生したことで、
消費エネルギーの低減を可能にしました。

さらに冷却ファンの低速運転は、空気の流れを上部吸気→下部排気とすることで、
外部からの粉塵侵入を低減する効果もあります。
標高2000m、-20℃の寒冷地にも対応可能な、環境を選ばない設計を実現しています。
※機種によって数値は異なります。

側面断面図 側面断面図

先進の系統連系技術

TMEICはPV-PCSのリーディングメーカーとして、
最新の系統連系要件に対応しています。

万一の系統事故の際、PV-PCSは運転を停止する必要があります。
単独運転防止機能と呼ばれるこの技術にも、東芝時代から培われた独自技術を活かしており、
安全、確実にPV-PCSの運転を停止します。

低日射量/PV-PCS効率カーブ

Efficiency of 2.5MW Inverter (550Vac) Efficiency of 2.5MW Inverter (550Vac)

日本(東京、府中市)では年間で約2割しか晴れの日はありません。約6割が曇りの日となります。
曇天の日は出力が低下してしまいますが、このような場合でも高い変換効率を保っており、
発電した電力を無駄なく、売電することが可能です。

高信頼性の追求

TMEICのPV-PCSは、どんな環境下でも安定した運転を目指しています。
耐環境性試験、高調波試験、系統安定性試験などの「型式認証試験」や、「出荷前試験」を全台数で実施し、
信頼性の高い製品供給に注力しています。
TMEICの“高信頼性”は、丁寧な試験の繰り返しによって裏打ちされたものなのです。

IEC規格に基づく環境信頼性試験

機器の“高信頼性”は、温度・湿度・
塩害・耐水など通常の環境よりも格段に
厳しい多岐にわたる耐環境性試験と、
高調波試験や系統安定性試験
(FRT、電力上昇抑制など)等の試験を
組み合わせることで保たれています。

IEC規格に基づく環境信頼性試験

産業技術総合研究所:
福島再生可能エネルギー研究所での-30℃試験

寒冷地での動作を担保するために、
マイナス環境での温度検証を
行っています。

産総研 福島での-30℃試験

IPX6の放水試験

台風などの暴風雨環境下での動作を
担保するために、耐水試験を
行っています。

IPX6の放水試験

砂漠地域での利用も可能とする、
国際規格に準拠した砂塵環境試験

砂漠などの過酷な環境下にも耐えうる
設計を目標に、背面/換気ファン部分に
あえて砂塵を侵入させる検証や、
基板などのエリアにおける
砂塵侵入の検証を行っています。

MIL/IECに基づいた砂塵試験

TMEIC製品の豊富な納入実績は、信頼性の証。

その品質は国内外で高い評価を受けています。
2014年、インターソーラーアワードでSolar Ware 1667kWが最優秀賞を獲得いたしました。

砂漠などの過酷な環境でも運用できる安定性、定格出力の40%までファンレス運転を実現する高信頼性、
そしてヒートパイプを使用した冷却システム。

技術力と地道な検証が組み合わさったことで実現したこれらの全てが、国際的に認められたのです。

2014年、インターソーラーアワード最優秀賞

Solar Ware 1667kW

2016年にはTMEICのPV-PCSがDC1500V対応機として
世界初のUL認証を取得しました。

UL認証

3. 制御技術

再生可能エネルギーの課題の一つである“安定供給”。
天候や気温、系統の変動や停電などのさまざまな環境要因が安定供給の妨げとなっていました。
TMEICは、事故や環境に左右されない安定したエネルギー供給を実現するため、最適な制御システムを提供しています。

発電設備の出力を最大化。系統連系条件である、出力抑制にも対応。
PV-PCSのみではなく、MSCを組み合わせることで、発電出力の安定化に寄与します。

メインサイトコントローラ(MSC)

メインサイトコントローラ(MSC)

電力会社からの出力抑制指令に基づき、発電所全体を効率的に制御します。
また、制御システム(MSC)により、PV-PCSと蓄電池PCSのバランスを調整し、
最適な系統出力を実現しています。

(MSCは北海道電力向け連系要件にも対応可能です)

メインサイトコントーラによる制限例
(80%の出力実施時)
メインサイトコントーラによる制限例(80%の出力実施時)

PV-PCSが複数ある太陽光発電所で出力制限を行う場合、
MSCは各PV-PCSの運転状況をもとに、プラント全体で出力が最適になるよう制御します。

蓄電池を併設した太陽光発電所でのMSC事例 蓄電池を併設した太陽光発電所でのMSC事例

安定した発電量を維持するには、曇天時等の際に低下した分を蓄電池で補わなければなりません。
メインサイトコントローラがあることにより、蓄電池使用量を最低限に抑えることが可能です。
また、必要な蓄電池容量も抑えることができ、初期投資の低減につながります。

PV発電状況に合わせてPCSの出力を最適化しています。

監視システム

TMEICでは太陽光発電システムの計測・状態監視・制御を行うソフトウェア
「太陽光発電モニタリングシステム SOLAR WARE VIEW」を提供しています。

SOLAR WARE VIEWは太陽光発電所の発電状況を常にモニタリングしており、
プラントの運用状況・故障状況を容易に把握できます。

監視システム

損失解析機能などの各種解析機能や機能拡張も充実しており、
太陽光発電のプラントの効率的な運用をサポートしております。

直流側発電状況監視SGV
(String Group Viewer)

標準直流入力盤センサーにシーケンサ(PLC)を追加し、SGV機能を装備。
SGVは従来のストリングモニタと比較して、
PVモジュールの異常検出や断熱検出に対する感度が向上し、
万一の事故の発生時は安全に電力を停止させられるようになりました。

従来のストリングモニタ方式とSGV(TMEIC提案)の比較(1MWあたり)

直流側発電状況監視SGV

センサ数、ケーブル敷設量、安全、工事費などの面で優れているSGV。
太陽光発電量の異常検出や、万一の事故被害の拡大防止に役立ちます。

4. 省エネ技術

TMEICでは、お客様のプラント全体の省エネ化、コスト削減支援として、
大容量蓄電システム(TMBCS)を採用したESS(Energy Storage System)や、
PV-PCS併設システム、をご提案しています。
蓄電システムの導入により、プラント全体のピーク電力が低減され、
契約電力単価(=電力料金)の低減が可能となります。

工場の平均電力量を低減

PV電源導入による改善例
(PV 5MW Battery 500kWHの場合)
PV電源導入による改善例(PV 5MW Battery 500kWHの場合)

ESSはプラントの購入電力を平準化し、契約電力量を下げる ことが可能です。

フィーダトランスとバスダクト一体化で
現地工事の簡易化省工事化を実現

屋外大容量PV-PCSとトランスを繋ぐには通常バスダクトを使用します。
設置時に、現地で全てを接続するのは非常に難しく、工事の手間も増え、接続時のトラブルを招いていました。

フィーダトランスとバスダクトによる一体化で省工事化を実現

TMEICでは、フィーダトランスとバスダクトの一体化により、
PV-PCS本体と接続するまでの前段階の現地工事を簡略化。
接続時のトラブルが減り、品質を守ることを可能にしました。