日本は、世界でも数少ない「水道水」が飲める国。安全な飲み水をつくるための手順を、標準的な上水道施設(浄水場)を例に紹介します。
そして、飲み水ができるまでの工程の中でもTMEIC(ティーマイク)の製品が活躍していますので、どこで役立っているかにも注目して下さい!
河川などの水源から「取水塔」が水を取り入れ、「導水トンネル(菅)」を通り、「浄水場」へと届けられます。(地表水の取水では、水源に応じて取水堰(せき)、取水門、取水塔、取水枠などがあります。)
ここでは、川から水をくみ上げる揚水ポンプ(取水ポンプ)や、くみ上げた水を浄水場に送る導水ポンプを駆動するモータ&ドライブシステムとして、TMEICの産業用モータ『TM21シリーズ』と、ドライブ装置『TMdrive-MVG2シリーズ』が活躍しています。
TM21シリーズは、大容量、大トルクに適した産業用モータです。高効率と優れた省エネ性能などにより1000kW以上のクラスではシェア80%を誇ります。また、TMdrive-MVG2は、安定的かつ効率的にモータの回転数を制御するドライブ装置です。
「導水トンネル(菅)」を通り、原水が最初に到着する池が「着水井(ちゃくすいせい)」。ここでは水位を調節し、原水に含まれている可能性のある有害な細菌などを死滅させる効果のある次亜塩素酸ナトリウム(塩素)を入れて消毒を行います。
「着水井」から「混和池(こんわち)」へと届いた水はさらにポリ塩化アルミニウム(凝集剤)を入れて、フラッシュミキサーでかき混ぜられます。凝集剤によって、水の汚れが固まりやすくなります。
「混和池」からきた水は「フロック形成池」に送られ、ゆっくりとかき混ぜられます。フロックとは凝集剤で結合した汚れの塊のこと。大きく長い水車板でかき混ぜることでフロックがより大きく固まっていきます。
大きくなったフロックを下に沈めるところが沈でん池です。
沈でん池の底から集められた泥(フロック)は、排泥池に集められます。
ここに集められた泥はその後の工程で「水分」と「土」に分離され、「水分」は「着水井」へ戻され、「土」は廃棄又は、園芸用などに再利用されることになります。
ここでは、沈でん池の底に溜まったフロックを乾燥させる「排泥池」に送る、排泥ポンプ用駆動モータとして、TMEICの産業用モータ『TM21-FⅡシリーズ』が活躍しています。
TM21-FⅡシリーズは、高い省エネ性能とともに、軽量化と低騒音を実現した、トップランナー制度(IE3)適合モータです。
「沈でん池」を経て綺麗になった水は「ろ過池」に送られます。
砂→砂利の層に分かれた「ろ過池」で、「沈でん池」で取り除くことができなかった細かいフロックを徹底的にろ過します。
ろ過池の砂や砂利に詰まった細かいフロックは、定期的に水を逆流させる「逆洗浄」をすることで取り除かれます。そのための「逆洗ポンプ」や、洗浄に使用した水を排水するための「洗浄排水返送ポンプ」の駆動用モータとして、TMEICの産業用モータ『TM21-FⅡシリーズ』が活躍しています。
ろ過された水は、最後に「塩素注入設備」へと送られます。
そこで、水の塩素濃度が基準値を保持するように調整します。
完成した飲み水は、汚れないよう、主に地下に作られた「浄水池」に溜められます。
「浄水池」に貯められた水は、広域水道センターからの指令に基づき「ポンプ場」や「給水所」を経て市町村のタンクへ送られます。