水素製造用自励式整流器

自励式整流器は、大電流の直流電源を必要とする、水素製造用の電解槽に最適な整流器です。
自励式素子を用いた整流回路により、従来のサイリスタ整流器では難しかった「高調波レス」「低リップル」「高力率」を実現します。

概要/特長

2050年までのカーボンニュートラル実現を目指す政府のグリーン成長戦略の一つとして、水素利用が掲げられています。
カーボンフリーなエネルギーとして水素の需要増加が見込まれる中、水素の大量製造に適した水の電気分解方式によるグリーン水素製造プラント建設が相次いで計画されています。

TMEICは従来の整流器の課題を解決する水素製造用自励式整流器によって、カーボンニュートラル社会の実現に貢献します。

PWMコンバータ回路採用により、発生高調波電流を大幅に低減します。
高調波ガイドライン、IEEE519の高調波規格に対応しています。
高価な高調波フィルタ、専門性の高い高調波解析などの高調波エンジニアリングが不要です。

IGBTチョッパ回路採用により、直流リップル（脈流）を大幅に低減します。リップルによる電解槽への影響を最小限にします。

PWMコンバータ回路採用により、運転点によらず力率99%以上で運転可能です。交流系統側の無効電力を制御でき、系統電圧の安定に寄与します。

高性能IGBT素子の採用、最先端の主回路制御技術により、高効率を達成します。

新型整流器は、拡大が見込まれる再生エネルギー由来のグリーン水素製造プラントでの使用にも適しています。
100MW級の大型水素プラントに対しても、1台当たり数MW級の整流器を複数台組み合わせることで対応が可能です。

項目	仕様	備考
直流電圧直流電流	直流電圧：0V〜600V 直流電流：0kA～15kA（単機）	単機最大電流15kA、最大電力3000kW 複数台の整流器の並列化により大容量化可能
回路方式	PWMコンバータ+IGBTチョッパ
力率	運転点によらず99%以上
直流リップル	定格点で5%rms（電流リップル）	オプションで更なる低リップル化も可能
無効電力制御	オプションで可能
高調波発生量	IEEE519 準拠
制御方式	定電流制御、定電圧制御
冷却方式	主回路素子：水冷、他主回路用品：風冷
周囲環境	屋内空調環境設置温度：0～40℃ 湿度：15～85%（結露無し）	屋外設置の場合、パッケージハウスを供給可能
ユーティリティ	必要冷却水：管理された工水補機電源：三相AC200V 制御電源：AC200V（無停電）	冷却水量、補機・制御電源容量は、都度ご相談下さい
準拠規格	JIS、JEC、JEM、IEC